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富士フイルムホールディングス株式会社
河島靖典氏
総務部 担当課長
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富士フイルムホールディングス株式会社
那須由理氏
総務部 担当課長
認定ファシリティマネジャー(CFMJ)
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富士フイルムホールディングス株式会社
木村啓子氏
総務部 担当課長
認定ファシリティマネジャー(CFMJ)
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富士フイルムホールディングス株式会社と、その事業会社である富士フイルム株式会社および富士ゼロックス株式会社は、昨年2月、東京ミッドタウンの「ミッドタウン・ウェスト」に本社移転を行った。二大事業会社を束ねた新たなグループ経営体制への移行に伴って3社の本社機能を集結。経営課題において質とスピードを向上させていくことで、より高度なシナジー効果を追求し、戦略的なグループ経営を強力に推進していくのが目的。新オフィスの構築にあたっては「コモン(共有)」「コミュニケーション(交流)」「コラボレーション(協働)」の3つのコンセプト(3C)を掲げ、3社共通の受付・会議室・応接室・カフェテリアの設置によるスペースの効率化やオフィスサービス機能の統合による大幅な業務効率化に加えワークスタイルの変革や従業員の意識改革に積極的に取り組んだ。
名称:ミッドタウン・ウェスト
敷地面積:68,900m² / 延床面積:56,324m² / 賃貸面積:27,414m² / 基準階床面積:2,572m² / 階数:地下3階・地上13階 / 竣工:2007年1月 / 収容人数:約2,000人
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■経営計画を実現するためのオフィス統合プロジェクト
「第二の創業」を目指した大胆な経営改革の一環として富士フイルムグループによる本社機能の統合を計画。実務面では両社のファシリティ担当者による綿密な調整作業が成功につながった。
■コンセプトはわかりやすく
社員にオフィス統合の意義を浸透させるには、「コモン、コミュニケーション、コラボレーションによるシナジー効果の発揮」というわかりやすいコンセプトが有効だった。「移転によって変わること」を社員に啓蒙することも重要なポイント。
■フロアプランは業務分析から
フロアプランなどのゾーニングは経営の目指す方向だけでなく、業務プロセスの分析による最適化が大事。富士フイルムグループでは会議室・オフィスサービス・カフェテリアなどを共有。受付も「富士フイルムグループ」を社内外に位置づける象徴の場として1ヵ所に集約。
■共通のオフィススタンダードの導入
オフィスの仕様を完全に統一し、スタンダード化を図る。今後、組織や業務が変更されても対応できるユニバーサルプランで、経営のスピードアップとコスト削減が可能に。
■オフィスコンシェルジュは有効
従来、総務が行っていたオフィスサービスを専用窓口に一本化。従業員にとってはワンストップサービスで利便性が向上。各社のルールを共通化することで、コストダウンも実現。
■オフィスは働き方を変えるツール
ハードウェアを用意するだけがオフィスづくりではない。本来、そこで実現したい新しい働き方を浸透させるための施策も重要。
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富士フイルムグループが「第二の創業」と位置づける大胆な経営戦略を明らかにしたのは、2004年に策定された中期経営計画「VISION75」でのことだった。2009年で創立75周年を迎えるにあたり、「新たな成長戦略の構築」「経営全般にわたる徹底的な構造改革」「連結経営の強化」を三本柱にさまざまな施策への取り組みを始める。
「2001年に富士ゼロックスが、連結対象となりグループ経営の強化が最重要課題の一つとなっていったのです」(富士フイルムホールディングス株式会社・河島靖典氏)
もっともその段階では、後に本社移転プロジェクトでキーパーソンの一人となる河島氏ですら、「オフィス統合」まで実現するとは考えていなかったという。
「富士フイルムは、西麻布の自社ビルに30年以上本社を構えていました。一方、富士ゼロックスは本社を賃貸ビルに置く『資産をあまり持たない』経営スタイルであったためマネジメントやオフィスに関する意識や使い方に多くの違いがありました。したがって、本社機能を集約するというプロジェクトを聞いたときには本当にできるのかと思いました」(河島氏)
しかし経営を取り巻く環境は想定を上回るスピードで変化し、それに伴って経営計画も再構築されていく。
「2004年に策定された中期経営計画「VISION75」の中で連結経営強化が経営課題となり富士フイルムホールディングス設立による持株会社制への移行、二大事業会社である富士フイルムと富士ゼロックスを含めた3社による本社機能の集約というプランが浮上してきたのです」(河島氏)
この急展開は、富士ゼロックスでファシリティマネジャーを務めていた木村啓子氏にとっても大きな驚きだったという。
「持株会社化を契機にした連結経営の更なる強化と全体最適追究による企業価値の増大という経営計画上のテーマを考えたとき、両社の本社オフィスを集約することは効果的な方法の一つです。そこで、担当者によるプロジェクトチームが結成されたのです」(木村氏)
そしてもう一人、富士ゼロックスのグループ会社で多くのユーザー企業のオフィスづくりを手掛けていた那須由理氏が実務経験者としてチームに加わることになる。
「集まって話し合いを始めたものの、両社の企業文化の違いやオフィスに対する考え方に違いがあり、当初はプロジェクトの方向性をまとめるだけでも大変でした。しかし移転までの約2年間で、約150回以上の打ち合わせを実施することによってお互いの理解が進み、共通ベクトルを持つプロジェクト運営がされていったのです。今から思うとミーティングの大半はお互いの「違い」を知ることだったように思います」(那須氏)

那須氏が言うように、「本社オフィス機能の集約」への道のりは試行錯誤の連続だった。
「富士フイルムはビルの構造上フロア面積が小さく、部門単位でまとまっていたために、各部門の意向を反映したオフィスとなっていました。しかし新しいオフィスでは「フロアを共有」「サービスを共通化」することになり、全体最適の意識が必要になります。この意識の改革からはじめる必要があったのです」(河島氏)
たとえば会議室。富士フイルムの場合「部門に帰属した個室」の会議室が多く設置され運用も各部門に任されていた。また自社ビルのため「スペースにはコストがかかる」という意識もあまり持たれていなかった。
「私たちの役目は新しいオフィスを用意することだけではなく、ユーザーが満足する職場環境を提供することですから本社移転にあたってはそれこそすべての部門と何度も膝を突き合わせて打ち合わせをしました。一方的に押し付けるのではなく、社員が参画し理解してもらうことが大事だったのです」(那須氏)
同時に、新しいオフィスのコンセプトづくりが始まった。
「これはかなり検討を重ねましたが、結果として、コモン(共有)、コミュニケーション(交流)、コラボレーション(協働)の3つを促進し、グループによるシナジーを生むというコンセプトにしました。使い古された言葉かもしれませんが、大胆なプロジェクトだけに、全社員にわかりやすい内容であることが重要だと思ったのです」(那須氏)


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