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ベリングポイント株式会社 大阪オフィス(梅田ダイビル)

多彩なコミュニケーションという価値を提供すれば「帰ってきたくなる」快適オフィスに進化していく

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プロジェクト概要

  • ベリングポイント株式会社
    杉山 優子氏
    オフィスサポートサービス
    スーパーバイザー
  • 株式会社ミダス
    小澤 清彦氏
    執行役員 設計部担当
    一級建築士
    認定ファシリティマネージャー
  • 株式会社ミダス
    若月 良氏
    設計部
    デザイナー

米国BearingPoint,Inc.の日本法人であるビジネスコンサルティング会社「ベリングポイント株式会社」は、2007年12月、大阪オフィスを移転した。大阪駅桜橋口近くの梅田ダイビル11階にオープンした新オフィスは、執務、会議、リフレッシュなどすべてのシーンにおいて多彩なコミュニケーションを可能にすることで、従業員に「オフィスに集まる価値」を提供していこうとしている。コンサルティングファームでありながら「個室」を全廃したオフィスは、ステータスオリエンテッドからワークオリエンテッドへという今のワークプレイスの変化を実現しており、これからのオフィスづくりに大きな影響を及ぼしていきそうだ。

先進オフィス事例研究 はやわかりメモ
オフィスの第一条件は交通の便
社外を飛び回るスタッフが多いコンサルティング会社がオフィスに求める最大の条件の交通の便。ターミナルから至近であることが何よりも優先される。
「思い」が伝わるまでデザイナーと話を
「こんなオフィスにしたい」というユーザーとしての要望はストレートにぶつけるべき。時間をかけて話し合っていけば、その真意を汲み取り、デザインだけでなくオフィス戦略の方向性にまでつながる成果が得られる。
フリーアドレスだから個性的な空間に
単なる省スペースのフリーアドレスはオフィスの魅力を失わせる。グループワークから自由なコミュニケーションまで、さまざまな働き方ができる多様なスペースを用意。
メールボックスやマガジンラックでマグネット効果を
人の出会いを期待するスペースには、メールボックス、マガジンラック、ワードローブなど「必ず立ち寄る」コーナーを配置。またリフレッシュコーナーはリゾート風など思い切ったデザインで人を集める。
「個室」をなくすとかえって便利になる
個室は使っている本人も「コミュニケーションがとりにくい」と不便に感じているケースがある。ステータスよりも働きやすさをベースにオフィスのデザインをした。
コミュニケーションを演出する工夫を
リラックスできるジャグジー風ソファ、出会いと個人作業を両立できるカウンター、なじみのあるファミレス風テーブルなど、ちょっとしたデザイン上の工夫でオフィスは楽しく、居心地がよくなる。

「オフィスへの思い」を確実に形にするにはデザイナーとの自由な議論が欠かせない

ベリングポイント株式会社が大阪オフィスの移転を考え始めたのは、2年ほど前のことだ。
「それまでは地下鉄御堂筋線の本町駅近くにオフィスを借りていました。しかし、立地的には不満もあり、人員計画の見直しがあったのを機会に、移転計画が具体的になってきたのです」(杉山優子氏)

スタッフの移動が多いコンサルティングファームでは、交通の便の良し悪しが仕事の効率を大きく左右する。このため、ベリングポイントでは東京オフィスを東京駅八重洲南口のパシフィックセンチュリープレイス丸の内に、名古屋オフィスを名古屋駅前の大名古屋ビルヂングに置いているほどだ。
「職場ごとの条件をできるだけ揃えるのが私たちの方針であるため、大阪駅の近くで物件を探したのですが、なかなか希望通りの物件が見つかりません。この段階で、1年以上、足踏みをしてしまいました」(杉山氏)

それでも昨年の半ば、大阪駅から徒歩5分の梅田ダイビルに約180坪のスペースを確保することに成功する。
「期間や予算に関して色々と制約はあったものの、東京オフィスでの大胆なワークスタイル変革は効果があった。大阪ではさらにコンサルタントが仕事をする上での機能面を強化することを主眼に置いた。」(杉山氏)

オフィスユーザーとしての要望を確実に設計に活かしてもらうにはどうしたらいいか?その方法として杉山氏たちが選んだのは、デザイナーとの徹底的な意見の交換だった。
「社長(代表取締役社長・内田士郎氏)を交えて何度もフリーディスカッションを行いました。そして、私たちの熱いトークに最も誠実に応えてくれた会社をパートナーに選んだのです」(杉山氏)

それが株式会社ミダスだった。設計のチーフを務めた小澤清彦氏が言う。
「ベリングポイントは社長自らが職場環境に強い関心を持ち、『オフィス・ルネッサンスを実現する』と大胆な改革を希望されていました。このため私たちは、大阪のオフィスだけを考えるのではなく、ベリングポイントのオフィス戦略のモデルになるような先進的なデザインを提案したのです。オフィス設計は専門家だけでできるものではありません。最初に相互で自由な意見交換ができたことが、今回のプロジェクトを成功に導いた最大の理由ではないでしょうか」

2タイプのフリーアドレス席でコミュニケーションの多様化を

それでは、ベリングポイント大阪オフィスの概要を紹介していこう。

広さは約180坪で、ビル11階フロアの半分を占めている。ここに現在、約100名の従業員が勤務する。
「最初のディスカッションで強く言われたのは、『スタッフたちが帰ってきたくなるオフィス』でした。社外で仕事をすることの多いコンサルタントだけに、強い吸引力を持ち、スタッフ間のコミュニケーションを活発にできるスペースであることが第一条件だったのです」(小澤氏)

その「思い」の源流にあるのは、人材こそ最大の資産だというベリングポイントの理念である。
「スペースの有効活用という点からフリーアドレスになるのは仕方がないのですが、ただ効率を追究するだけのオフィスでは、わざわざ立ち寄ろうとは思ってもらえません。人材が最大の資産なのですから、彼らが喜ぶ価値を提供できるオフィスでなければ意味がないのです」(杉山氏)

検討を重ねた結果、ミダスが提案したのは、次のようなオフィスだった。
「まず執務スペースについては、FREEADDRESS-1とFREE ADDRESS-2の2つに分けました。共通しているのは自由なコミュニケーションができるようにした点ですが、それぞれデザインを大きく変えることでワークスタイルを多様化し、『オフィスに戻ればいろんな出会いがある』と思ってもらえるようにしたのです」(若月 良氏)

FREE ADDRESS-1はチームデスクを並べたスペースで、コーナーごとに梁で囲むことにより、境界を明確にしながらもオープンな雰囲気を実現した。
「グループによる作業に使ってもらうつもりですが、まわりからも何をしているかわかるようにすることで、グループ外のメンバーとのコミュニケーションを誘発するようにもなっています。こういう空間は、ぜひつくってほしいとお願いしました」(杉山)

一方、FREE ADDRESS-2は完全なフリースペースだ。
「2対3で座れるラウンドテーブルで構成しました。このテーブルは組み合わせることで、いろいろな人数に対応できます」(若月氏)

さらにブランドカラーの真っ赤なメールボックスをローパーテーション代わりに(ハイカウンターの下に、メールボックスを収めている)使い、ブランディング効果を図った。
「メールボックスはオフィスに戻ってきた従業員が必ず立ち寄るところだけに、その向こうで誰かが仕事をしていれば気軽に話しかけることができます。また小さなホワイトボードを付けてみんなへの伝言に利用してもらったり、写真を入れてアピールしたりと、ちょっとしたコミュニケーションツールになるようにも工夫しました」(若月氏)