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日本オラクル株式会社 オラクル青山センター(本社)

お客様へおもてなしの心を伝え、従業員が場所にとらわれず各自のスタイルにあった働き方ができるオフィスを目指して

各フロアの詳細拡大写真

プロジェクト概要

  • 日本オラクル株式会社
    瀬谷 一也氏
    リアルエステート&ファシリティ
    ディレクター
  • 日本オラクル株式会社
    川端 康浩氏
    リアルエステート&ファシリティ
    担当シニアマネジャー
    一級建築士
    認定ファシリティマネジャー
    宅地建物取引主任者
  • 日本オラクル株式会社
    山家 夫佐永氏
    リアルエステート&ファシリティ
    担当マネジャー

世界で第2位のソフトウェア会社Oracle Corporation(オラクル コーポレーション)の日本法人である日本オラクル株式会社 (Oracle Corporation Japan) は、2008年9月1日に本社ビル「オラクル青山センター」をオープンした。港区北青山に新築されたビルは、地上24階のうち9階から上が日本オラクル、8階以下が三菱UFJ信託銀行による区分所有だが、3~24階のオフィスフロアはすべて日本オラクルが使用しており、2階のエントランスフロアも含めて自社ビルとほぼ同様の使用形態となっている。青山通り(国道246号)に面し、東京メトロ銀座線外苑前駅にも直結している最高の立地条件に加え、北側が神宮外苑になるためどの階からも楽しめる眺望が魅力で、室内の個性的なデザインも含め快適なオフィス空間に仕上がっている。また、これまで都内8箇所のビルに分散していた事業所をすべて集約したことで業務効率が飛躍的に改善したのはもちろん、「オラクル=青山(先進性・革新性)」と地区のイメージと結びつけることによるブランディング効果にも強く期待している。

オラクル青山センター

所在地 〒107-0061 東京都港区北青山2-5-8
設計監理 清水建設株式会社一級建築士事務所
施工会社 清水・間共同事業体
構造・規模 鉄骨造・一部鉄骨鉄筋コンクリート造 地上25階、地下3階
プロジェクトマネジャー 三井不動産株式会社
デザインアーキテクト 株式会社佐藤尚巳建築研究所
敷地面積 6,392.21㎡(1,933.61坪)
延床面積 47,135.25㎡
着  工 2006年3月9日
竣  工 2008年7月末日
オープン 2008年9月1日
先進オフィス事例研究 はやわかりメモ
チャンスを活かしたオフィス改革
日本オラクルは2000年に東証一部に上場。株主価値の最大化のため、上場により得た資金の一部を自社ビルの取得に充当し、分散していたオフィスの集約・統合による管理コストの削減を目指す。事業拡大やM&Aに伴うオフィス拡大で執務スペースが足りなくなるなど、今後の事業拡大やM&Aに備えるとともに、コミュニケーション&コラボレーションのより一層の活性化のため、この機会にオフィス環境の改善を図ることに。
オラクルの日本における拠点として
自社ビルの建設を決意したのは、日本に根づいた企業であることを強くアピールするため。ブランディング戦略の要となる本社だけに、立地、デザインなどには徹底的にこだわった。
経営ビジョンとオフィスデザインは一致する
日本オラクルは第二の創業ともいえる新しい経営ビジョンを発表しているが、その内容に合わせて新オフィスが設計された。社内だけでなく社外とのコミュニケーションを活発にするスペースとデザイン、従業員が場所にとらわれずに働けるWork@Everywhereを実現するオフィスへ。
オフィスづくりはペーパーレス化から
Work@Everywhereを可能にする自社製のITインフラを利用し、移転前からペーパーレス化を徹底することで働く場所を自由にできるほか、デスク周りには余計なものがいらなくなる。その分、会議や打ち合せスペース、リフレッシュコーナーなどの設置が可能に。
画期的な2人用会議室
資料づくりや集中した情報交換など、ビジネスにおいて「2人会議」の需要はかなりある。そのための部屋を用意することでオフィスの多様な利用を促す。

オフィスの集約によって人が集まるからブランディング効果のあるビルが必要だ

日本オラクルといえば、本誌『オフィスマーケット』でも千代田区紀尾井町ニューオータニガーデンコートにあった旧本社を紹介させていただいており(1999年7月号)、オフィスの先進企業としては早くから注目されていた。たくさんの熱帯魚が泳ぐ大型水槽、インコやカナリアがさえずる鳥かご、パーティション代わりに置かれた何鉢もの観葉植物、そして社内を巡回する社員の大型犬は、どれも旧来のオフィスの常識を打ち破るものだった。その後、水槽や観葉植物などは日本企業でも活用するケースが増えていることを考えれば、日本オラクルの目指す方向はオフィスの未来と一致していたようだ。「確かに旧本社のオフィスはマスコミにも大きく採りあげられたりして注目され、話題になりました。しかし私たち自身は、あれですべて完成とは考えていなかったのです」

こう語るのは、日本オラクルのリアルエステート&ファシリティ部門を長く 担当してきた瀬谷一也氏だ。
「前のオフィスを構築したときには、接客用のスペースを中心にデザインワー クを進めたため、執務スペースの環境は決して満足できるものではありませ んでした。その後、事業の拡張やM&Aなどによってオフィスが拡大・分散し ていくと、デスクの確保すら大変で、オフィスをきれいに整備することもできな くなってしまった。それだけに、どこかの段階で、大規模なオフィス改革をしな ければいけないと考えていたのです」(瀬谷氏)

そのきっかけになったのが、2000年の東証一部上場だった。 「上場によって出資者からお預かりした資金で、いかに株主価値を最大化しようかと考えたとき、分散しているオフィスの集約・統合がテーマにあがったのです。それによって管理コストを下げることができれば、その分を配当に回せるわけで、上場益の使途としては理にかなっている。合わせて従業員やお客様に喜んでもらえるオフィスをつくれば、まさに一石二鳥だと思ったのです」(瀬谷氏)

そして多くの検討を重ねた結果、自社ビルの建設に踏み切ることになる。「外資系企業は一般的に『業績が悪化したらすぐに日本のマーケットから撤退するのではないか』と思われがちなのです。もちろん私たちは日本に腰を据えてビジネスを展開していくつもりでしたから、その姿勢を明確に示すためにも自社ビルを持つことは大きな意味があったのです」(瀬谷氏)

ところが、プロジェクトは簡単には進行しなかった。約2500名の従業員をすべて収容できるビルを建てるような土地が、なかなか見つからなかったのだ。「新本社には、従業員用のオフィスだけでなく、トレーニングセンターやセミナールームなど、すべて併設するつもりでしたから、それなりのスペースが必要です。しかも日本オラクルにとって顔となるビルだけに、エリアや場所の選択は慎重にならざるをえません。そういう条件で探していくと、希望に合った敷地はなかなかなかったのです」(瀬谷氏)

自社ビルということもあって、ブランディングに役立つ一等地でなければならない。そんな条件を満たす土地を見つけるまでに、結局、5年近くを費やしてしまう。
「そんなとき、間組本社の跡地に三井不動産と共同でビルを造らないかと いう話が来たのです。日本を代表する大通りに面し、住所も北青山、しかも 地下鉄駅の真上で改札口もビル内に新設されると聞き、これ以上ない条 件に驚きましたね。最終的に両者の話し合いにより、オフィスフロアは、全館、 私たちが使用するという条件で合意しました」(瀬谷氏)

日本オラクル「第2章」となる新しいビジョンをオフィスのデザインがサポートしていく

ちょうどそのころ、建築分野のスペシャリストとして日本オラクルに入社したのが川端康浩氏だ。また、後に山家夫佐永氏が新本社ビルの建設チームに加わることで陣容は整っていく。
「最初に検討テーマになったのは外壁などのデザインですね。オラクル コーポレーションとしては『日本法人の本社ビルを建てるからにはこんなデザインでオラクルのブランドを強く印象づけていきたい』といった要望があり、その内容を三井不動産、建築家の佐藤尚巳さんらと調整しながら実現することができました。『一枚岩(monolithic)のようなプレートで構成される彫刻的な石張りのコアと透明性の高いガラスボックスで構成されるランドマーク性のあるスカイラインとファサード』といったコンセプトは実現でき、場所柄、多くの人に注目してもらえるデザインにはなったと自負しています」(川端氏)

一方、室内デザインは日本オラクルの主導で進められ、接客や打ち合せに使われる12、13、14階のパブリックエリアについてはSYSTEM-O Design Associatesの李 泰久氏、その他の執務スペースについては清水建設が担当している。
「李さんと事前に今回のプロジェクトの主旨や現状の課題・ゴールの共有を図り、私たちが何を目指しているか、非常によくわかってもらえました。それだけに、経営ビジョンに沿ったデザインを見事に実現できました」(川端氏)

そのキーワードになったのが「第2章」だ。

日本オラクルは1985年に設立された会社だが、昨年6月、社長執行役員最高経営責任者に就任した遠藤隆雄氏は、それまでの23年間を「日本の社会に根付き、基盤事業を構築してきた第1章」とし、今後は「次の成長に向けての第2章が始まる」と新たな経営ビジョンを示した。
「第2章では主力商品であるデータベースに加え、新しいプラットフォームやビジネスアプリケーションをコアにした展開を進めていきます。そのとき重要になってくるのが、社内のエンジニアとコンサルタント、社外のパートナー、そしてお客様によるコミュニケーションやコラボレーションの促進です。したがって、オフィスのデザインも新しいビジョンの実現をサポートするものでなければなりません」(川端氏)

また、デザイン上の工夫としては、ところどころに日本風のテイストを入れている。
「多くの従業員やお客様から、伝統的な日本建築に触れ、畳の井草の香りを感じると、リラックスできるという声をいただきます。新本社では最上階である24階に茶室と日本庭園を設けましたが、これも京都を始め全国から本物の材料を集めてくることで、ビルの中であっても屋外の茶室と同じようにくつろげる癒しの空間になっています。そういうところからも、私たちがおもてなしの心を伝えられるオフィスづくりにかけてきた熱意を理解していただければうれしいですね」(山家氏)


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