プロジェクト概要
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- 株式会社ザッパラス
江村 尚志氏 - 管理本部 総務人事部
部長
- 株式会社ザッパラス
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- 株式会社ザッパラス
田沼 義和氏 - 管理本部 総務人事部
サブリーダー
- 株式会社ザッパラス
2000年3月に設立された株式会社ザッパラス(当時の社名はサイバービス株式会社)は、携帯電話向けのデジタルコンテンツの企画制作・開発・運営やオンラインショッピングサイトでファッション、雑貨、スイーツなどを販売するなどモバイルインターネットを通じたさまざまな事業を展開している。現在では、Mixiアプリやモバゲータウンなどへのソーシャルゲーム提供や海外市場への進出など事業領域を拡大し、その勢いは止まることを知らない。2006年7月に現在の恵比寿ビジネスタワーの7階に本社オフィスを移設。その後も予想を上回るペースで組織の拡大が続き、今年2月に2階フロアを増床。それを機会に、「増員に合わせたスペースの拡大だけではなくコミュニケーションの活性化につながる新しい空間を設置したい」と大胆なオフィス改革を実施している。

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- マグネット効果のある広場を
- 広いフロアを活かすには全体が見通せるだけではなく、社員が自然に集まるスペースも重要。ザッパラスでは立木と周囲の植栽で公園のような空間を実現している。またエレベーターホールから続く動線上に設けたことで日常的に社員が集まり、組織横断的な交流が行われている。
- 情報交換のスタイルを多様に
- 会議室、打ち合せスペース、コミュニケーションゾーンとさまざまな目的や機会によって使い分けられる交流の場をオフィス内に設けることで組織は活性化していく。会議室は少人数用のものや誰もが発言しやすくなる円卓のものなどバリエーションを増やしている。
- オフィス家具はリサイクルできる
- 汚れやすい椅子も5分ほどの洗浄で新品に近い状態になる。コストも買い換えの10分の1程度とリーズナブル。ザッパラスではコスト削減、環境負荷削減の両面から検討し実行した。
全体を見通せるオフィスが組織を活性化する切り札に
2000年3月に会社設立、2005年5月に東京証券取引所マザーズへ上 場、2009年2月に東京証券取引所市場第一部へ市場変更……。
沿革の一部を見るだけでも株式会社ザッパラスの急成長の軌跡がよくわかる。
「2004年に携帯電話向けのデジタルコンテンツの提供に事業を集中させたことが大きな飛躍を遂げるきっかけになりました。その後、オンラインショッピングやモバイル広告、ソリューション提案など情報ツールとしての携帯電話の可能性を広げていき、新しいビジネスの展開につながったのです」(総務人事部長・江村尚志氏)
そして組織の拡大が続く2006年7月、中目黒(目黒区)のオフィスから移転を決意する。
「そのころは全社で150人ほどの規模でした。ビルの2階と4階を借りていたため、社内のコミュニケーションに大きな問題があったのです」(江村氏)
それほど大きな組織でなくても、事業部門ごとにフロアが分かれると交流の機会はどんどん失われていく。当時の様子を江村氏は「まるで別の会社みたいだった」と語る。
「若くて元気のいい会社のはずなのに、これではいけないと思い、移転による統合を考えました」(江村氏)
立地として候補にあがったのは渋谷か恵比寿だった。
「IT系の企業はこのエリアに集まる傾向があるのですが、ちょうどいい広さのビルが少なかった。幸い、今の恵比寿ビジネスタワーの7階フロアが空くことになり、これは大きなチャンスだと思ったのです」(江村氏)
このとき、新しいオフィスを構築するにあたり、ポイントとなったのは次の3点だった。
- フロア全体を見通せるレイアウトにして交流を促進する。
- 会社のイメージをアピールできるデザインを採用する。
- 今後の増員に対応できる仕組みにする。
1番目の項目は、ワンフロアに統合したメリットを最大限に活かす工夫だ。「内部にパーテーションは設けず、端から端まで見通せるオフィスにする。役員たちの席は窓際にオープンな状態で設置することにより、社員との接点を広げました。またマネージャークラスの席は特別に設けず、島型対向レイアウトの中に組み込むようにしたのです。このような改革を行ったことで、組織のフラット化に大きな効果があったように思います」(江村氏)
続いて2番目の項目は、外に向けたデザイン上のポイントだ。
「ザッパラスは携帯電話の占いサイトの運営で知られていることから、どうしてもエンタメ志向のベンチャー企業だと思われがちです。しかし、実際にはマーケティングデータに基づいた品質の高いサービス企画が当社の強みであるため、エンタメをイメージさせるものではなく、知的で安心感を与えられるイメージで統一しました」(江村氏)

エントランス正面の仕切り壁。
自慢の一つがエントランス正面の社名入りの仕切り壁で、高級感のあるパール仕様を実現するために自動車と同じ塗装を施したという。
「インテリアにそんな塗装をする人はいないようで、自動車修理工場の方に頼み込んでやってもらいました。作業はかなり大変だったのですが、出来映えには非常に満足しています」(江村氏)
会社が訴求したいイメージをオフィスデザインで社外に伝える戦略は、採用にも大きな効果を発揮するという。
「オフィス見学を実施すると、ほぼ全員の方が当社のオープンな社風をすぐに理解します。つまり、オフィスデザインは重要な採用PRツールでもあるのです」(江村氏)
そして3番目の項目については、個人デスクが並ぶ島型対向レイアウトの間に打ち合せ用のテーブルをいくつか設置しておき、バッファスペースとした。
「この部分はデスクの増設を可能とし最大250人までは対応できるように設計しました。ところが予想より早い段階で組織の拡大が進み、オーバーすることが確実に。同じビルの2階が空いたのを機会に増床に踏み切ったのです」(江村氏)
人は自然に樹木の周りに集まる マグネット効果で交流の促進へ
今年2月、2階フロアの新設にあたり7階も含めたオフィスの総合的なリニューアルを行った。
「7階フロアの約360坪に加えて2階フロアの面積は約254坪。このスペースを有効に活用していくことで、オフィスに関するさまざまな課題を解決していけると思いました。幸い、日頃から従業員の声が入ってきやすい会社ですので、改革案はすぐに思いついたのです」(江村氏)
最大のポイントはインフォーマル・コミュニケーションの促進だった。
「オフィスをワンフロアにしたことで交流の機会は広がったものの、会議室でのフォーマルな会議中心のため情報交換のチャンスは限られていました。そこで、もっと突発的な人と人との出会いを活用し、雑談の中から新しい仕事のヒントが生まれるようなオフィスにしようと考えたのです」(江村氏)
江村氏と一緒にオフィス改革プロジェクトを進行してきた田沼義和氏も同じ方針だった。
「それまでもいくつかの打ち合せブースがありましたが、どうしてもブースに近い人たちの専属スペースみたいになってしまい、自由な交流はなかなか生まれません。部署が違ってもモバイルというツールを使ってビジネスを展開しているという点では共通なのですから、組織横断的な人の出会いを演出できるオフィスにしたいと思ったのです」
そして生まれたのが、2階と7階の両フロアに設けられた「オープン・コミュニケーション・ゾーン」だ。
「エレベーターホールからつながるエリアを広場のようなスペースにしたので、誰もがそこを通ることになります。しかもシンボルとなる立木と植栽を中央に置き、周囲にファミレス風のベンチや、カフェ風のテーブル、バー風のカウンターなどバラエティに富んだコーナーを設けたのです。その結果、仕事の打ち合せや昼食などに使われるだけでなく、たまたま知りあいを見かけて話し込むといった風景が普通に見られるようになりました」(田沼氏)
緑の葉を湛えた立木はまるで公園のようだ。「フロア内であればどこにいても視界に入り、社員も集まりやすくなるのでは・・」といった江村氏や田沼氏の思惑通りに賑わいのスペースに変身した。
「最初は巨大な水槽を置き、水族館のようにするといったアイデアもありました。しかしオフィスに大量の水を持ち込むと管理上のさまざまな問題が発生するうえ、導入とメンテナンスの費用もかなりかかってしまいます。その点、立木や植栽は大きなものでも水槽とは比べものにならないくらい安く抑えられます」(江村氏)
オープン・コミュニケーション・ゾーンには、ほかにもテレビやマガジンラックを設置することで、人が集まるマグネット効果を高めるようにしている。
「テレビは、ニュース番組を流し続けることで従業員に情報感度を高めてもらうようにしています。さらにオリンピックのようなイベントがあればそれを楽しむこともできます。フィギュアスケートのときは社長を含めて多くの社員が集まり、盛りあがっていましたね(笑)」(江村氏)
ザッパラスでは個人個人が責任を持ってプロジェクトを進行しているので、時間の使い方は本人に任せているという。
「社員が雑談しているのは無駄なように見えますが、実は新しい価値を創造する第一歩なのです。その効果はわかっているので、今後、どんなに人数が増えても、このスペースを無くすつもりはありません」(江村氏)

2階のコミュニケーションゾーン。オフィスの中心にある立木は季節ごとに変更する予定だ。

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